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テーブルランド 編

「焙煎についてーその②」

 

 こんにちは、テーブルランドの焙煎師・中原ひできです。

 前回は、コーヒーの“好みの焙煎度”を見つけると失敗無く様々な産地銘柄の風味を楽しめますよ〜という事を書きました。

 今回は、少しだけ踏み込んで、私の焙煎方法について書きます。

 

 焙煎前のコーヒー生豆は、薄い緑がかった白色で、あのいわゆるコーヒーの香りは全くしないカチカチの硬い粒です。これに熱を加えて行くと膨らんで色が茶色に濃くなって行きコーヒーの良い香りがして来ます。これが焙煎です。ですから専門的な焙煎器を使わなくてもフライパンとガスコンロでも焙煎は出来ます。

 ところが、熱の加え方、火加減・火力を変えるタイミングなどにより仕上がりのコーヒーの味が変わってくるのです。

 ですからそうした事を十分に研究して作られた専門的な焙煎器は、私達のような焙煎コーヒー屋にとっては必要不可欠なものです。

 私が使っている焙煎器は、長野県茅野市・井上製作所の3.6kg釜です。コーヒー生豆を一度に3.6kgまで焙煎出来ます。

 井上社長との出会い話は、以前このブログで書きました。そして井上社長からいろいろなことを教えていただきました。

 

・焙煎の始めは火力を強くするとコーヒー本来の甘みが出る。

・豆が膨らむということは、細胞が膨らんでいる。膨らみに合わせて火力を抑えていかないと焦げる。

 

 これが基本の基本です。そして教えていただいたたくさんの中で特に印象的なのは、この言葉です。

 

「焙煎中は豆をよく見ろ。豆を見れない奴に焙煎は出来ない。」

 

 焙煎器の釜の中の温度や経過時間など数字で確認できることはあります。ですが、これらは、その時々の気温や湿度、その他様々な要因で変わってしまいます。なので数字は信用せず参考・目安にするだけにして豆をよく見て色や膨らみ方を良く見て火加減のタイミングや出来上がりを見極めろということです。

 この教えを守り“焙煎のタイミング”は、

『豆を見れば豆が教えてくれる』

をモットーに、日々精進しています。